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Blogこんにちは。つきしま矯正こども歯科です。
前回、「見守る時期」と「はたらきかける時期」についてお話しました。
今回は「はたらきかける時期」の実際の指導法についてお伝えします。
幼児期後期から学童期(5歳〜6歳過ぎた頃)には積極的なトレーニングが望まれます。
指しゃぶりをしていた期間、頻度、強さなどにより歯並びへの影響は大きく左右されます。期間が長い・頻度が高い・強さが強いなどの場合には、形態や機能への影響など、指しゃぶりをやめただけでは自然治癒が難しくなる状態になるという事を認識する必要があります。
では、実際ご家庭ではどうしたらよいのでしょうか?
まず、一番大事なことは、
「本人がやめたいかどうか?」という意志です!
子供の成長には個人差がありますが、トレーニングをスタートする段階でこの点をきちんと確認することはとても大事です。
もう一点!家族の協力を得られるかどうか?も大きなポイントとなります。
指導には第三者が関わる事が望まれ、その場合、家族には常に「子供を励ます」という立場に徹していただくことが成功のカギを握ります!子供が精神的に安心する状態をご家庭で整えてください。
では、実際の指導について。
①本人・保護者・第三者との話し合い
上記のポイントについての確認と、指しゃぶりの影響について説明を行い、トレーニング開始にあたり本人の動機づけをしっかりと行います。
②実際の指導スタート
その1…目標の設定
・昼の指しゃぶりをストップする
・入眠時の指しゃぶりは、我慢できる時間を設定。3分→5分→7分とだんだん延ばすことで眠りにつくまで我慢できるようになってきます。
その後、無意識に指が入ってしまったら、そっと指を抜いてあげるなど、しっかり眠りにつくまで保護者の付き添いが大切です。
翌朝、本人に称賛の言葉を忘れずに!「全然しゃぶらなかったね!すごいね!」など、目標達成に対して褒めることは大事です。
また、「できたらシール」や「記録表」などを作り、目標達成に対するご褒美を用意することも良いと思います。
(目標設定の時期について)
お誕生日やクリスマスなどのイベントを目標設定のゴールにすると言う方法も効果があります。
逆に、入園・入学やお引越しなど、生活環境が大きく変化する時期には精神的に不安定になることもあるので取り組む場合は注意してください!
その2…指への語りかけや補助用具の利用
・「患者と術者」対「指」の関係を作り、本人の問題ではなく指の問題であるという設定で指に「口に入らないでね!」と語りかけてお願いする!
・指人形の使用
市販または手作りのものを用意。
名前をつけて一緒に取り組み助けてもらうことをお願いする!
指人形は、入眠時につけることで安心するような感触の良い素材の物を選ぶと良いです。
・あまりに強固な指しゃぶりの場合には、幅広のバンテージなどを軽く腕に巻きつけたり、長手袋を利用するなども!この場合は、本人のやめたいという意思が明確で納得した上での使用とすること。
その3…お話や絵本の活用
寝入りばなに指をしゃぶる場合は、寝付くまで手を繋いでお話をしたり、絵本の読み聞かせも良い方法です。
・指しゃぶりに関する絵本
「ゆびたこ」…指しゃぶりがやめられない子と、指しゃぶりで出来た指たことの会話がおもしろい絵本です。ゆびたこのイラストがちょっぴり怖いのも子供にはインパクトがあって良いかも!
「たこたこおにおにおんころぽい」…1日5分の親子コミュニケーションで子供が自発的にの指しゃぶりを我慢することを促します。指しゃぶり防止シールなどがついています。価格が少し高めです。
「ルルちゃんのゆびしゃぶり」…この本のよいところは、指しゃぶり自体を否定していないところ。ルルちゃん自身が指しゃぶりと葛藤している点が子供自身が共感を持てて良いようです!
「ゆびしゃぶりやめられるかな」…指しゃぶりをしていて歯並びが悪くなったり、出っ歯になってしまうことを写真付きで解説している絵本です。実際に歯医者さんで指導者側が使用してきた本です。歯科医療向けなので他の絵本に比べて少しお高めです。(私の先輩が執筆者の一人です)
「なっちゃうかもよ」…親が困ることが多い子供の行為を楽しくやめさせるためのしつけ絵本。指しゃぶり以外の内容もでてきてユーモラスに描かれていて大人も笑える絵本です。
以上、色々な指導パターンについてお話しました。
上記のようにトライしてみて、それでもなかなかやめられない場合には、ドクターサイドからの何らかのアプローチが必要になってくるかもしれません!形態や機能への影響が大きくなってくる前に、是非一度ご相談くださいませ。